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2010/08/19 7:50 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/26 5:30 に更新しました ]
 

 アパートに向かっている途中。本当に、海を撮りたくなっている自分に気が付いた。腕時計をチラリと見る。4時。俺は急いでカメラを取りに、アパートに向かうことにした。

 2階建てのアパートの階段を上って一番奥の扉を開けると、部屋にこもっていた熱風が一気に外へと押し寄せる。カメラを手に取ると、早々と部屋を出る。外の風の心地良さを感じながら、俺は海へと向かった。電車を3回ほど乗り継ぎ、1時間ちょっとすると、海が見えてくる。電車を降りると、潮の臭いが強くなったのを感じる。

浜辺が近づくにつれて、帰宅する家族の姿が目立ち始める。日焼けもしっかりして、海を満喫した子。まだ遊び足りなく駄々をこねてる子。遊び疲れて、お父さんの背中で夢心地良さそうに寝てる子。そんな様々の温かく微笑ましい姿を少しずつカメラに納めていく。夕暮れ時の浜辺はさっきとは一変、恋人達の姿が目立つ。夜になれば友人達と花火をする人の姿。その一つ一つの光景を、またカメラに納めっていった。ふと「病院で見た彼女なら、どんな風に撮れるんだろう」なんて思ったりもしたが、その考えはすぐ打ち消す。今あるこの瞬間を撮り逃したくなかったから。

気が付けば、時刻は10時を回っていた。来た時の道を戻る。

家に着いた俺は、帰宅途中に買った弁当で腹を満たすと、ベッドに身を投げ夢見へと落ちていった。

 

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