5ページ

2010/08/15 5:37 に ついついペコ が投稿
 

 

「あ?……なに?聞いてなかった…」

 数秒の沈黙が訪れた。俺が二人の顔を見比べると、どちらともなくため息が漏れた。

「え……あっ…ご、ごめん…なっ、なに?」

 気まずい雰囲気をなんとかしよと、少し慌てる俺に、

「もういいよ………どうせ美人看護士にでも見惚れてたんだろし…」

 と、俊は呆れた顔でまた一つため息を漏らした。それに対して「美人看護士」の言葉に反応したのか、外を食い
入るように見る剛。

そこにベッドから動けない俊が剛に声を掛ける。

「くすっ。で?剛」

「あ?」

「美人看護士さんはいたか」

「ああ。ここの病院、結構レベル高いぞ」

「じゃぁ。涼夜が見惚れちまいそうな子は?」

「あ―。ちょっと待ってろ」

 二人の話はどんどん進んでいこうとしていた。

 なんだか急に恥ずかしさが込み上げてきて、話を逸らせようとしたが、さらりと交わされる。

「おい。涼夜」

「…なんだよ…」

 二人が一旦こうなると、逃れることができないことを、知っている俺は、しぶしぶ付き合うほかなかった。
 
 
Comments