【親子のクマ騒動・長野県松川村神戸】2010.11.9

2010/11/08 21:10 に ついついペコ が投稿   [ 2010/11/08 22:41 に更新しました ]
 長野県松川村神戸地区で8日朝、「民家付近にクマが出没している」と言う情報が松川村役場に入りました。村役場経済課は村内一斉に、クマの出没に注意するよう、村民に呼び掛けました。

 県林務課、村役場経済課、大町警察署などが出動し、付近一帯を捜索したところ、昼過ぎになって親子のツキノワグマ2頭が確認されました。クマたちがいたところは村温泉施設の「すずむし荘」から約1キロほど南の雑木林の中。山裾からは数百メートルほど離れています。発見したのは、長野市から駆け付けた長野県クマ対策員と、地元松川村の大北猟友会松川支部会員です。

 周辺住民の安全を考慮して、長野県クマ対策員を含む関係者が現地で協議した結果、親グマは緊急駆除、子グマだけ捕獲して山に帰そうと言うことになりました。

 親グマは迅速に打たれ「子グマは親の傷口をなめていた」と聞きました。その後、「子グマは打つには忍びなく、山へ」と言う結論に達し「麻酔銃で撃った」ところ、その1発をはじき、子グマは大きな木の上に逃げました。クマ対策員は木に登り、子クマのいる枝を切ると、子クマは下に落ちて逃げ、別の木に登りました。

 村消防団も加わり、総勢30人ほどになりました。次の作戦として消防団が消火栓の水を子グマに掛け、下に落とそうとしました。10m以上もの松の木の上に登った子グマに水はなかなか届きませんでしたが、それでも子グマはずぶぬれになりました。

2本目の木の上に逃げ、放水でずぶぬれになった。悲しい目をして、下を見下ろす0歳の子グマ

 そこでクマ対策員は再び木に登り、麻酔銃を打つと、今度は命中。子グマはそのまま木の下に落ちて、再び逃げて別の木に登りました。徐々に麻酔が効いていった子グマは数分後、登った3本目の木から落ち、ビニールシートを持って下で待機していた猟友会員などによって捕獲されました。

 母親のクマは体長120センチ、推定4歳で、体重は60キロほどです。「冬眠ができない」と言われるほど痩せていました。子グマは「今年2月に出て来たばかりだろう」と見られる0歳のメス。中型犬ほどの大きさでした。「普通は1歳半までは親に付いている」と言いますが、その後、山に放されました。

 県林務課によると「今年は山のドングリが不作で、もっと大きなクマも里に下りてきている」とのこと。「母親は目の前で鉄砲を向けてもドングリを食べ続けていた」と言います。餌のドングリをお腹一杯食べられるかどうかは、北アルプスの山で生き抜くクマたちにとっては死活問題です。

 北アルプス山麓では、たびたび民家の近くまでお腹をすかせたクマが出て来ています。大町市とその周辺の5市町村の、個体数調整による本年度のクマの捕獲頭数は、11月2日までで52頭。平成21年度の13頭をはるかに上回ります。
Comments