【キタアカシジミ・物語の始まり】蝶研フィールド61号から2010.8.24ついついペコ

2010/08/23 10:12 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/23 10:13 に更新しました ]

 1991年に発行された蝶研フィールド61号は「北海道に、アカシジミJaponica luteaに近似した別種がいるという話しが産声をあげてから、かれこれ10年くらいの歳月が流れた・・・」と始まる、特集の「キタアカシジミ物語」から始まります。

 小樽市在住の本間定利さんと、札幌市在住の伊東拓也さんのお二人が、ほぼ時を同じくして、従来のアカシジミとは別のアカシジミに気付いたことが、きっかけとなりました。

 同誌によると、本間さんは「カシワより採卵したゼフィルス類をミズナラで飼育してみると、その中に普通のアカシジミの幼虫とは斑紋が若干異なるものがいることに気付いた」。その後、ミズナラとカシワからそれぞれの卵を採集し、飼育することで、従来のアカシジミとは別種のアカシジミだ、との結論に達しました。

 一方伊東さんは、当時「蛾の世界でよく行われていた」と言う、近似種の同定同様に、交尾器を利用した同定を行いました。羽化したオスのアカシジミの交尾器を検鏡することで「従来のアカシジミとはゲニタリア(ついついペコ注:生殖器官)が異なっていることに気が付いた」とあります。

 そんな二人のチョウ同好者の声から10年ほどの歳月が流れ、1990年に「『カシワアカシジミ』にキタアカシジミという和名をともなって分類学的な地位が与えられ」ました。

 同誌は別名キタアカシジミと言われるカシワアカシジミJaponica onoi Murayama,1953発見の経緯、村山修一博士の好意によって撮影し、掲載した原色のタイプ標本の他、キタアカシジミの幼生期、岩手県と北海道のキタアカシジミにつて、投稿による手記を載せています。
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