【アカシジミ?キタアカシジミ?】長野県北アルプス山麓2010.8.13

アカシジミが有力

2010/09/04 9:25 に ついついペコ が投稿   [ 2010/09/04 10:16 に更新しました ]

【アカシジミが有力】2010.9.5


2010年8月13日【アカシジミ?キタアカシジミ?】の記事にある、長野県北アルプス山麓で撮影したシジミチョウの食樹を先日調査しました。期待を持ってキタアカシジミの幼虫の植樹カシワを探しましたが、付近で確認したのはカシワではなく、ミズナラのようでした。


付近の年配の方にお聞きしましたら「昔は田の畦のようなところに何本もカシワがあったが、田んぼを作ったから随分減った」とのことでした。人々の生活とともに水田が耕地整理され、環境も変化しました。


短い時間だけでしたのでカシワを見つけることはできませんでした。また、キタアカシジミがそこにいたかどうかは、もっと調べてみないと分りません。今現在では、アカシジミが有力です。


一応現地付近で撮影した木です。


チョウがいたところの200メートルほど北側にあった木 2010.8.29


チョウがいたところの300メートル以上東側にあった木 2010.8.29


チョウがいた付近の幼木3本 2010.8.29


日本蝶類研究会の皆さんに、調査方法や同定のために助言をいただいていますこと、感謝致します。

【キタアカシジミ登場】蝶研フィールド61号から2010.8.27ついついペコ

2010/08/26 9:10 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/26 9:12 に更新しました ]

【キタアカシジミ登場】蝶研フィールド61号から2010.8.27ついついペコ

 いつの時点から、どのようにして、キタアカシジミが登場したのでしょうか。蝶研フィールド61号による、八王子市の猪又敏男さんらの手記の抜粋です。

 猪又さん編による、1985年発行の「大図録・日本の蝶」(竹書房)では、「キタアカシジミ」という名称こそ登場しなかったもの、北海道産のアカシジミは、本州のアカシジミとは少し変わっていると認めた記述があります。すでに1985年以前に、猪又さんも変異に気付いておられたようです。

 分類の記述では「北海道産には、onoi Murayama,1953なる、適格名があるが、現在はluteaHewitson,1865〕)のsynonymとされている。しかし、・・・onoi Murayamaの処置に付いては、再検討が望まれる」と記しています。そのことについて手記の中で「この時点では、私に知識の中に北海道にも、本州産と変わらぬ本物のアカシジミが存在するという事実が抜け落ちていたので、もとより内容は現状認識のために還元できる代物ではない」と率直に認めています。

 2年後の「1987年6月に発行された北海道昆虫同好会の連絡誌に両者の区別点などが記述され、少なくとも道内を中心とした同会会員のあいだには、あまねくおかしなアカシジミの存在が知られることになった」と述べています。

 続いて「さらにこの記事は『蝶研サロン』誌(蝶研出版発行)に再録され・・・蝶研出版発行の『スーパー採卵術』に、「日本産25番目のゼフィルス」として・・・掲載された」と、あります。

 北海道の本間定利さん、伊東拓也さんの気付きが、北海道の昆虫愛好家の会誌に、そして全国への情報として発信されていくことになりました。そして1989年には「ふたつのアカシジミについての話しはある程度常識となっていたはず」と猪又さんは述べておられるように、山県市の横倉明さん、武田隆さんは「1989年10月、岩手県岩手郡滝沢村加賀内にてキタアカシジミJaponica onoiの採卵に成功し、飼育の機会を得ることができ」ました。また二人は「1989年と1990年には、北海道の同好者の方々の協力を得て、北海道産のキタアカシジミについても、飼育することができた」と報告しています。

 そんな折、猪又さんは北隆館(東京都)の「検索図鑑」を書くこととなり、このふたつのアカシジミに「頭を痛めることになった」ようです。理由は「学名のない種を掲載する意図はまったくない」ことと、『無視すると本間定利さんらの好意に背いてしまう』と言うことです。そこで猪又さんは「とりあえず、カシワ食いのアカシジミをキタアカシジミの新和名とともに、onoi Murayamaの学名を付して表舞台に登場させることにし」ました。それは1990年3月「原色蝶類検索図鑑」として出版されました。

 その後「名称に直接影響するholotypeは・・・最終的にキタアカシジミに間違いないものと結論づけることができた」と述べています。

 そのようにして25種類目のゼフィルス、キタアカシジミの解き明かしが展開され、カシワを食していたアカシジミが、キタアカシジミと言う和名で、世に知らされていった訳です。

 北海道、東北地方の研究者の皆さんは、卵を採取し、飼育し、生息環境を調べ、生体を顕微鏡や電子顕微鏡で調べ、写真撮影して比較検討し、細かい飼育日誌を付け、同好会、サロンの席で討議し・・・・初めて違いを認めることができました。その努力と探究心に、ただただ頭が下がります。 

【キタアカシジミ・物語の始まり】蝶研フィールド61号から2010.8.24ついついペコ

2010/08/23 10:12 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/23 10:13 に更新しました ]

 1991年に発行された蝶研フィールド61号は「北海道に、アカシジミJaponica luteaに近似した別種がいるという話しが産声をあげてから、かれこれ10年くらいの歳月が流れた・・・」と始まる、特集の「キタアカシジミ物語」から始まります。

 小樽市在住の本間定利さんと、札幌市在住の伊東拓也さんのお二人が、ほぼ時を同じくして、従来のアカシジミとは別のアカシジミに気付いたことが、きっかけとなりました。

 同誌によると、本間さんは「カシワより採卵したゼフィルス類をミズナラで飼育してみると、その中に普通のアカシジミの幼虫とは斑紋が若干異なるものがいることに気付いた」。その後、ミズナラとカシワからそれぞれの卵を採集し、飼育することで、従来のアカシジミとは別種のアカシジミだ、との結論に達しました。

 一方伊東さんは、当時「蛾の世界でよく行われていた」と言う、近似種の同定同様に、交尾器を利用した同定を行いました。羽化したオスのアカシジミの交尾器を検鏡することで「従来のアカシジミとはゲニタリア(ついついペコ注:生殖器官)が異なっていることに気が付いた」とあります。

 そんな二人のチョウ同好者の声から10年ほどの歳月が流れ、1990年に「『カシワアカシジミ』にキタアカシジミという和名をともなって分類学的な地位が与えられ」ました。

 同誌は別名キタアカシジミと言われるカシワアカシジミJaponica onoi Murayama,1953発見の経緯、村山修一博士の好意によって撮影し、掲載した原色のタイプ標本の他、キタアカシジミの幼生期、岩手県と北海道のキタアカシジミにつて、投稿による手記を載せています。

【アカシジミとキタアカシジミの違い】2010.8.24ついついペコ

2010/08/23 10:10 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/23 10:11 に更新しました ]

 まず、持ち合わせの学研「日本産蝶類標準図鑑」(2006年8月発行)によると、ふたつのシジミチョウは、アカシジミJaponica lutea Hewitson,1865)とカシワアカシジミJaponica onoi Murayama,1953に分類されます。キタアカシジミと言うのは、カシワアカシジミの別名です。

 アカシジミは国内では、北海道、本州、四国、九州に広く分布するのに対して、カシワアカシジミは、国内では北海道、青森県、岩手県、秋田県、福島県、広島県に局地的に分布するだけです。北海道と東北地方に分布するカシワアカシジミを名義タイプ亜種J.onoi onoi、広島県に分布するカシワアカシジミを冠高原亜種J.onoi mizobeiと、区別しています。

【キタアカシジミについて:新田敦子さん、貴重な資料をありがとう】2010.8.24

2010/08/23 9:57 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/27 7:04 に更新しました ]

 日本蝶類研究会の会員でもあり、ついついあちこちニュース「ありんくりん沖縄情報」の沖縄特派員新田敦子さんが先日、アカシジミとカシワアカシジミ(別名:キタアカシジミ)についての、貴重な資料である1991年蝶研出版発行の蝶研フィールドVol.No.4通巻61号を送ってくださいました。新田さん、貴重な資料を本当にありがとうございました。
 
 新田さんは89–98年の間、蝶研出版の編集部でお仕事をされておられ、98–07年は蝶研出版の代表を勤めておられました。蝶研フィールドは、すでに絶版となっていますが、61号はキタアカシジミの特集を扱っています。

 最近の図鑑によると、ふたつのチョウには、幼虫の食草や、斑紋に違いがあります。しかしチョウ愛好家の皆さんでも、見た目の違いよりも「卵は、産む場所、産み方が全然ちがうのでわかりやすい」と言われます。

 私自身チョウのいた近くに幼虫の植樹となるカシワの木があったのか、あるいはミズナラの木だったのか、注意していなかったので、再確認しないと結論が出せない状態となりました。

 そこで、時間のある時に現地にもう一度足を運ぼうと思いますが、その前に、新田さんの送ってくださった、貴重な資料からの抜粋をお届けします。私のような素人であっても、とても興味深く、参考になりました。
 61号の中からアカシジミとキタアカシジミの違い、キタアカシジミが分けられた経緯などを、少しずつ抜粋させていただきます。

【アカシジミ?キタアカシジミ?】2010.8.13

2010/08/12 19:58 に ついついペコ が投稿   [ 2010/08/12 20:15 に更新しました ]

【アカシジミ?キタアカシジミ?】2010.8.13
 
 長野県北アルプス山麓で撮影しました。アカシジミでしょうか?よく見ると「あれ、斑紋に違いが・・・」。素人目には区別が難しい2つのチョウです。
 産地は違いますが、よく見ると後翅の亜外縁斑紋列が、一方は丸みを帯び、もう一方は台形です。「まさか一方がキタアカシジミ?」
 日本産蝶類標準図鑑によると、アカシジミは北海道、本州、四国、九州に幅広く分布します。
 アカシジミによく似ているカシワアカシジミ(別名キタアカシジミ)は、北海道、青森県、岩手県、福島県、広島県に、局所的な分布域があります。地図では長野県は入っていません。
 と言うことは・・・・・「長野県にはキタアカシジミはいない」。でもそう決めつけるのは簡単なのですが、「ほんとかな?」の疑問もあります。もし、いないと言われているところにいたら、新発見です。

 さて、これはアカシジミでしょうか?それともキタアカシジミでしょうか?専門的な知識もありませんので、しばらくの間は夢を見ることに。同定は日本蝶類研究会にお願いしましょう。

2010.7.10長野県北アルプス山麓ついついペコ撮影

2010.8.2長野県北アルプス山麓ついついペコ撮影

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