【ミカドアゲハの想い出:呑むさん】2011.5.29

2011/05/28 9:23 に ついついペコ が投稿   [ 2011/05/28 9:28 に更新しました ]


ミカドアゲハ、蝶を始めた中学生の頃は、高嶺の花というかおそらく自分には縁がない蝶だろうなと思っていました。その後、蝶屋になる決心をした時、おそらくこの蝶は”採りたい蝶”のベスト10に入っていたんじゃないかなぁと思います。とにかく憧れの蝶でした。

この蝶との初めての出会いは、蝶屋としての第一歩を記した1977年春の八重山でした。この時は私を蝶屋へと導いてくれた生物クラブの先輩にひたすらついていく日々で、この日はミカドアゲハ(だけではないのですが)の有名ポイントに行くとあって、朝からわくわくどきどきしていましたね。場所は西表島のとある滝でした。ここは滝と言っても広大な岩場が緩やかな傾斜になってるって感じの所で、そこに無数のミカドアゲハが乱舞・・・まさに乱れ飛んでおりました。おそらく私が今まで見てきた中で、一ヶ所にあれだけ多くの同じ蝶がいたのはこの時が最高ではないか思います。少なく見積もっても200頭以上はいたと思います。ご存知のように、沖縄のミカドアゲハは本州・九州産とは別亜種になっており、色調も違っておりまして、アオスジアゲハと同じような青さです。なので、最初のうちは目視では判断がつかず、とりあえず目の前に飛んでいた個体をネットに入れて・・・・それがミカドアゲハだと確認出来たときは嬉しかったですねぇ。憧れのミカドアゲハをこの手で採ることが出来たのですから・・・。1977年3月11日のことでございました。

その後、この蝶とは縁遠くなり、卒業して九州に帰り、いつしか休眠・・・となったのでありましたが・・・。実は休眠中にこの蝶を2回ほど見たことがありましてね、外勤中にいきなり目の前の花にとまっているのを目撃したのです。びっくりしたのと同時に・・・「全然感じが違う!こっちの方が上品で綺麗。これは別物だぁ。」と思いましてね、流石にこのときは「網があったら。」って思いましたよ(笑)。さらに休眠中に、実は私が住んでる久留米市にもいるということがわかっておりましたので、復活した1993年は気合を入れてこの蝶を採りに行ったのでありました。

ところが、この時私は大いなる勘違いをしておりまして、この蝶を”6月の蝶”だと思っていたのですよ。と言うのも休眠中に見たのがどちらも6月中旬だったのです。なので、復活した年も6月の初旬に行ったのですが、その時も1頭見れてしまい・・・ますますその思いが強くなり、その年は下旬まで狙ってたのですが、その後全く見ることが出来ませんでした(笑)。しかも当時は「トベラの花に来る。」事も知らず、ただただオガタマの周辺をうろうろしていたのでありました。で、その年の夏以降、「どうやらGW頃が良いらしい。」事を知りまして、翌年はようやく見れるようにはなりましたが、たまに樹上を飛ぶのを眺めるだけでした。それでもこの年は餅をついて粘ってたようで・・・ついにその日はやって来ました。忘れもしない1994年5月22日、樹上を飛び回っていた個体がたまに低く降りてくることがあり、何回か振る機会を逸しながらも、ついにメッシュの白網一閃!何とかネットに入れることが出来ました。この時は嬉しかったですねぇ~。ネットの中を確認した後、思わずその場でジャンプしましたもんねぇ~(笑)。この日は2頭採れましてね、あの日の感激は今でも鮮明に残っておりますよ。

で、その後、蝶研に入会して調べてみると・・・何と福岡県では私が蝶を始めた頃よく遊びに行っていた山が有名ポイントである事を知り(笑)、何とも複雑な気分になったものでしたが・・・。懐かしいその山でも採ることが出来まして、さらにトベラの花で待っていれば飛んでくる事もわかり、一気に身近な蝶になったのでありました。さらにそこでお会いした方から「久留米に住んでるなら、わざわざここまで来なくても、あそことあそこで採れるらしいよ。」と聞いてますます身近になり・・・その後久留米市内でもトベラが咲いてる場所も見つかりまして・・・・今ではほぼ確実に”季節のご挨拶”で撮影出来る蝶になってしまったのでありますよ(笑)。もちろん、今でも大好きな蝶ですし、年に1回は撮らないとおさまらない蝶ではありますが・・・復活して初めてネットに入れたときのあの感激は・・・もう味わうことは出来ないんだろうなぁ~。
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