ピンクに染まる北アルプス

2010/01/29 9:36 に ついついペコ が投稿   [ 2010/12/31 18:38 に更新しました ]

【ピンクに染まる北アルプス】長野県大町市美麻新行 2010129日(金)


 厳冬の北アルプスの東側では、夜明けに、ピンク色に包まれた山々の姿を見ることができる。幻想的な世界に吸い込まれ、ほんの10分間、時が止まるかのような静寂に包まれる。氷点下10℃の夜明けだ。

 「前の日が冷え込んだ日ほどきれい」。大町市美麻で、何人かから同じ言葉を聞いた。周りを山に囲まれた新行地区で、星の瞬きが消えるころ、空とも山とも区別がつかない暗い空間に、うっすらと山のシルエットが見えてくる。ちょっと小高い丘に登り、雪の上にカメラを据え、朝焼けを待つ。

 まだ太陽は顔を出さないが、東の空がオレンジ色に変わり出すのが、美麻の夜明けの合図。それからほぼ20分後の7時数分前、西にそびえる北アルプスの白い頂がピンク色に光り出す。雪をかぶった爺が岳と鹿島槍ヶ岳は、周りの雪の青さの中にくっきりと浮かび上がり、この時ばかりとほこらしげに輝く。

 張りつめた空気に包まれながら短い時は流れ、気が付くと、現実の世界に引き戻される。いつも見慣れている白い山が、目の前に鎮座している。ピンクの山はどこにもない。

 「放射冷却で冷え込んだ日ほどピンクが美しい。あまりにきれいで、主人を起こすこともある」美麻新行で「パン工房森のふくろう」を経営する女性はそう語った。
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